トランプ2

先日、横浜から渋谷行きの電車に乗った。
優先席の端に座っていたが、最近は優先席でも違和感はない。
そのうち、隣の人が降りていき、隣が空席となった。すると、丁度前に座っていた女の人が、なにか手探りと言うような感じで、少しよろけながらこちらの席に移ってきて、お隣の女性に、あー良かったというような声をかけている。二人ともその体格を見ても、また、こちらに移るときの動作などから受ける印象は全くおばあさんと言う感じである。着ているものもこちらに移ってきた一人は白っぽく、もう一人は黒っぽい縞模様で、格段の事はない。要するに普通のおばあちゃんの二人づれと言う感じである。なるほどこの二人は、友達同士だったのかと気が付いたが、別によくあることで気にもしなかった。

そのうちこの二人は、親しげに話し始めた。これもよくあることで、こういうおばあちゃんの世間話は、いつものことながら、訳もなく、なんとなく長々と続くのだろうと、これまた気にもしていなかったがーー

ー昨日、トランプ大統領の記事をみたのよ。トランプ夫人のすごいドレスの写真がでていた。
ー知ってる、知ってる。あの色がすごかった。やはりこれは一流のドレッサーがいろいろ見ているのでしょうね。
ー前の大統領の時はあまり一流ドレッサーのような人は使わななかったとも書いてあったけれど、やはりトランプは違うわね。
ー私、最近テレビで 「物一つ」 と言う番組を見たの。あれは本当にすごかった。日本人の手作業であんなにすごいものが出来るのね。本当に感心したー。
ー私も見たことがあるわよ。竹細工などを使って、実に見事なーー。本当にあれはすばらしい。しかし、トランプはどうも品がないわね。
ーそう言えば、トランプは、アメリカ第一と言うようなことを言っているけれど、あんなことを言っていたらまた戦争と言うようなことにーー
ーそうそう。結局、白人優先と言う事を言っているのでしょうからね。
ーそれに、中国のことを批判しているけれど、アメリカ人は安い中国の製品を使って、結局は、得しているんじゃない。もしアメリカ製品を使うというようなことになったら、かえってアメリカ人が困ると思うけど。
ーそれに、移民を取り締まるようなことを言っているけれど、大体、アメリカは移民でできた国じゃないの。
ートランプだって移民してきたんでしょう。
ーなにか、移民がアメリカの働く人の職場を奪っていると言うようなことを言っているわけでしょ。しかし、だいたい、アメリカに来た移民が本当にどれくらいが働いてるのかしら。移民してきても簡単には働けないでしょうからね。いったい移民のうち実際にどれくらいの割合の人が、仕事があり、働いているのか知りたいわね。
ーそれに、移民の仕事と言うのもほとんどはなにか下働きのようなものでしょうしー。本当にどれくらいが白人の仕事を奪っているということになるんでしょうね。
ー一体、アメリカ人は、いま移民がやっているような仕事を本当にする気があるのかどうかーー。

というところで、電車は駅に着きおばあちゃん二人は、連れ立って降りて行った。
なるほどなるほど、と感心した。

注 THe Economist (日経版 2017・1・24 火 朝刊)「米導く対中強硬派、ナバロ氏」

ーー貿易で潤う懐

中国の貢献4分の1
米国人が安い輸入品を買えなければ貧しくなり、ほかに費やすお金は減る。08年までに工業製品の貿易が全米国人の懐を毎年1000ドルずつ潤したとの試算もある。その4分の1は中国の貢献という。アメリカ大統領経済諮問委員会(CFA)は、貿易障害で製品の価格が上がれば最も貧しい層に最も害がおよぶと最近示した。ー
ーー米の労働者の
助けにならず

製造業の生産が海外に移管され、その後国内回帰してもその間、生産性は通常上昇しているため戻る雇用数は減る。中国が低スキルの仕事を失えば製造業者は米国ではなく、コストの低い他の新興国に生産を移すだけだ。つまり、中国が貿易慣行を改めても、関税を導入しても米国労働者の助けにはならない。ー

丁度、上の「会話」を聞いた翌日だったので、このEconomistの記事を興味深く読んだ。

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