交通事故の報道

先日、京都で軽トラックが、前の車に追突した反動で登校中の児童につ突っ込むと言う大きな事故があった。集団で登校中の児童が、まさに集団で登校していたが故に、一挙に事故にあったという悲惨な結果となった。軽トラックを運転していたという人は80代の老人で、自分がどこを運転していたかも記憶にないという。多分、運転の老人は痴呆状態だったのではないかと考えられるし、これでは責任を問う事もむつかしいだろう。事故の悲惨さから見て、今更、老人の運転は気をつけようなどというようなキャンペーンをしてもむなしく聞こえるばかりだ。

しかし、このような事故は防げるのだ。報道の写真などによると、この京都の道路は通学路に指定され、定期バスも通っていたようであるが、見たところそれほど大きな道路ではない。むしろ、街中のいかにも京都らしい「通り」らしい。であるならば、すぐ思いつくのが、バンパー・ロードである。バンパー・ロードとは、道路に固いゴムなどで極小さな山を作る帯のようなものを敷いた道路である。実は、これは筆者が経験したアメリカの住宅地域で、しばし見る簡単な装置である。これを道路に敷いておくと、車がこの小さい山のところを通過するときひどくバンプする。この衝撃は意外に相当なもので、シートベルトをしていても運転手の頭が車の天井にぶつかりそうな勢いとなり、勿論ハット目が覚めるばかりでなく、車はどうしても減速せざるを得ない。比較的細い道路ではきわめて有効である。上に述べたようにアメリカなどの住宅街では、その一画に入るに入る狭い道路でしばしば見かける。これは人通りの比較的多い住宅地区に入る車のスピードを減速させるばかりでなく、運転者には強烈な注意の信号になる。また、夜などは車が住宅地を通過するときの音を少なくすることにも役立っているようだ。このようにアメリカなどの車社会ではこのようなバンパーはごくありふれた装置である。

写真で見たところ、この京都の通学路などにはまさにこれが有効だ。このバンパー(軽い山のようになるのでハンプとも言う)を2つほどならべて置けば有効に車の速度を規制できる。この固いゴムのようなものを縦に切って細く軽く扱いやすくしておいて、必要に応じで山形を合わせるように二つを並べればよい。つまり、たいして大きく重いものではないので、時間により設置したり、外したりすることも簡単だ。この通学路には毎朝見守り員もいたようであるから、朝7時ごろから設置し9時前には撤去することにすればよい。費用もそれほど掛かるとは思えない。是非この バンパー(ハンプ)の利用を呼びかけたい。

亡くなった児童についての近所の人の言葉や思いについて、情緒的に報道したり、老人の免許返還運動を呼びかけたり、要するに人の情緒や心がけに呼びかけても限界がある。上に述べたようなちょっとした工夫は、おそらく海外経験のある人はだれでも知っているだろうし、この方面の専門家ならば当然知っているはずだ。この様な知識や知見についてもぜひ広く報道すべきである。今回のような比較的狭い道で車の往来が多いような通学路は全国に多数あるはずだ。報道が、このパンパー(ハンプ)ロードのような仕掛けについて紹介し、少しでも情報を提供しておれば、今後このような悲惨な事故を防ぐ有効な手段となるはずである。

日本ではなぜかこのようなハンプ・ロードの設置を見かけないが、先日、靖国神社へ寄った時、「就游館」の隣にある通用門の道路にこれが敷いてあるのを見た。比較的人通りが多い中で、車を強制的に減速させるため有効だ。「就游館」のそばを通る車を静かにさせると言う効果もあるようだ。つまり、この様な製品は日本でも既に作られているようであり、設置例や経験もあるのだ。

交通事故について、なにかかわいそうだったというような観点からの報道だけではなく、上のようなその予防に関する知見や実例なども報道されれば、実際に事故防止の効果が上がるに違いない。報道がこのような観点にまで一歩進むことを期待する。

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